うつ病はどうしてなるのかはっきりとした原因は分かっていませんが、放置すると治療に時間がかかってしまう病気です。ですが、「うつ病と周りに知られたくない」と受診をなかなかせず悪化させてしまう人も少なくありません。うつ病は早く治療を開始することが完治につながります。そこでぜひ知っておきたい病院を受診するタイミングについて詳しくご紹介します。

うつの状態とうつ病は別物?知っておきたい2つの違い

うつ病の症状としてよく挙げられる「うつ」や「抑うつ状態」ですが、この症状がイコール「うつ病」ではありません。一時的なものなので誰もが経験のある症状ともいえます。そのためうつが長く続いてもうつ病と診断されないこともあるのです。そこで知っておきたい2つの違いを見ていきましょう。

うつは気分や病気以前の状態

うつは日常的によく見られる気分で、頭痛や肩こり、腰痛と同じようなものです。時々なることはあっても、それが深刻な状態でなければまた回復します。うつ状態はそうなったきっかけや原因がある程度はっきりしているので、日常生活にそれほど支障はなく、よいことが起きたり日常の変化で症状がなくなったりします。それでも気分が落ち込んだりやる気が起きなかったりといったことが続くため、放置せず周りの人に相談するなどして気持ちを晴らすことが必要です。

うつ病は放置していると悪化して自殺の引き金になることも

一方のうつ病は、病気ですので放置すると悪化していきます。うつ病の状態は、心だけでなく体にも不調が表れるため、日常生活に支障が出ます。自傷行為や他人に対する暴力に走るだけでなく、自殺に至ることもあるため、初期であっても軽視せず病院で治療をする必要があります。うつ病の場合は抗うつ剤で症状を軽減、改善することが可能です。ですが放置すれば治療にも時間がかかり、社会復帰が困難になるため本人だけでなく周りの理解も必要な病気といえます。

うつ病かも?病院を受診すべきタイミング

うつ病かもしれないと考えていても、「うつ病は風邪だから」と軽く考えたり、「うつ病と周りに知られたくない」と考えたりして受診をしない方も少なくありません。ですが風邪であってもこじらせれば生命に関わります。そこでぜひ知っておきたい受診のタイミングを詳しくご紹介します。

1.気分の落ち込みが2週間以上続く

ストレスやショックで何もする気が起きない、気持ちが落ち込むといったうつ状態は誰にでも起きる症状です。ですがその症状が2週間以上続いている、気分転換できないのであればうつ病の可能性があります。

2.集中できない・悪いことばかり考えてしまう

うつ状態の場合、仕事や趣味で気が紛れたりもしますが、うつ病の場合は集中力が続かなかったり、同じことを何度も考えたり、何を考えても悪いことばかりに気持ちが向いてしまったりします。

3.日常生活に支障がある

夜中に何度も目が覚める、眠れない、食欲がないなど心だけでなく体にも不調が起きている場合、うつ病の可能性があります。症状が悪化すると家から外に出られないという深刻なことにもつながりかねません。日常生活が営めない状態は一刻も早く治療が必要です。

4.食事が美味しく食べられない・大量に食べてしまう

食欲がなくなるのではなく、逆に過食と呼ばれる大量の食事をしてしまう、甘いものばかり食べるといった偏食の状態もうつ病に見られる症状です。

5.息切れやめまい・腹痛や下痢

病気かもしれないと病院で診察を受けても異常はないのに、体の不調が続く場合はうつ病が原因の可能性があります。頭痛や肩こりもうつ病が原因のこともありますので、不調を見逃さず心療内科に相談することが必要です。