家族・友達など周りの人がうつ病になったらどのように関わるべきなの?

家族や親しい友達など身近な人がうつ病になったら、心配で何とかしてあげたいと思うかもしれません。ただ、うつ病に対して知識がないと対応を間違ってしまい、症状を悪化させてしまう可能性もあります。そこでうつ病の相手とどう接すればいいのか、また対応する際に注意したいことについて詳しくご紹介します。

うつ病とはどんなもの?知っておきたい代表的な症状

うつ病は「心が風邪を引いた状態」ともいわれますが、生きるためのエネルギーが枯渇し、脳がうまく動かなくなっている状態です。なぜ発症するのかははっきりとは分かっていませんが、精神的身体的なストレス、病気や服用している薬が原因となっていることもあります。うつ病の主な症状には、大きく分けて心の症状と体の症状の2つがあります。

心の症状

  • 気分の落ち込み
  • 意欲ややる気が低下する
  • 不安にかられる
  • 思考力が低下する

体の症状

  • 食欲がなくなる
  • 眠れない、すぐ目が覚める
  • 疲れやすい
  • めまいや動悸
  • 頭痛、微熱が続く

うつ病の人は「早く元のようになりたい」と考えてしまいますが、うつ病は長い時間をかけないと回復することができません。心も体もしっかり休めることが必要なのですが、うつ病の人は「早く良くなりたい」と焦りの気持ちの方が強くなりがちです。そのことを理解し、支えることが周囲の人には求められているのです。

身近な人がうつ病になった時の接し方

家族や友達など身近な人がうつ病になった時には、どう接するべきなのか詳しく見ていきましょう。

寄り添う、見守る

うつ病の人は元気だった時の自分を思い出して「今の自分は何も出来ない駄目な人間だ」と落ち込んだりすることを繰り返しがちです。気持ちが落ち込み、やる気がでない状態であることを理解し、見守ることが大切です。相手から言葉を無理に引き出すのではなく、話したい時に話を聞くだけでも十分です。

相手が思い詰めない言葉をかける

うつ病の人は、治療に時間がかかってしまうことから、焦りや罪悪感を覚えることが少なくありません。そのため、「このまま休んでいて大丈夫だろうか」と考えてしまいがちです。そんなうつ病の人には、「無理しなくていいですよ」「ゆっくり治していきましょう」「何か話したいことがあればいつでも聞くよ」といった寄り添う言葉がけをしましょう。

大きな変化を及ぼすような行動をさせない

うつ病の人は、気持ちがコントロール出来ない状態なので、仕事を辞める、学校を辞めるといった極端な行動をしがちです。大きく環境が変わるとうつ病の症状が悪化してしまうため、そういった決断はさせないようにしましょう。

死にたいと思い詰めるサインを見逃さない

うつ病の人は、症状が悪化している時よりも、なったばかりの初期の頃や、回復し始める頃に突然死を選んでしまうことがあります。言動や行動に気を配り、しっかり話を聞きましょう。この時に大切なのは「命を粗末にしない」といった一般論で説得するのではなく、「あなたに死んで欲しくない」という気持ちを伝えることが大切です。

うつ病の人への接し方で注意したいこと

うつ病の人は、自身の病気に苦しんでいます。回復まで時間がかかるからこそ、周りの家族や知人がうつ病の症状を理解し支えることが大切です。否定する言葉をかける、安易な励ましをするのではなく、共感し一緒に治療に取り組む姿勢が大切です。また心の病気に関しては、治療に関する偏見を持つ人が少なくありません。薬の効果や副作用については、家族が率先して質問をし、患者さんが安心して治療に取り組めるようにすることも大切です。