統合失調症は、こころや考えがまとまりづらくなってしまう病気のため気分や行動、人間関係などに影響が出てきます。統合失調症には、
・健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状
・健康なときにあったものが失われる陰性症状
があります。

陽性症状の典型的な症状としては、幻覚と妄想を挙げることが出来ます。幻覚の中でも、周りの人には聞こえない声が聞こえる幻聴という症状もあります。陰性症状は、意欲の低下、感情表現が少なくなるなどがあります。例えば周囲から見ると独り言を言っていたり、実際にはないにも関わらず悪口を言われたというような被害を訴える、あるいは言っていることが支離滅裂であるというようなことがあると、これは統合失調症のサインですので、早めに治療をするべきです。

統合失調症とは

心の病気の中でも代表的な統合失調症ですが、実際にはどういう病気なのでしょうか。統合失調症の典型的な症状としては、憂鬱な気分や気持ちが重いと言うような心の状態が一日中あり、それが長期間続くというものです。こういう状態は一般的に統合失調症と診断されるのですが、実際にはこの状態だけではなく、統合失調症には色々な種類があり、例えば環境や個人の性格が原因の場合もありますし、他の病気や薬の服用によってうつ状態が発症する場合もあります。例えば、双極性障害(躁統合失調症)である場合もありますし、統合失調症などの精神疾病によってうつ状態が引き起こされる場合もあり、これらの状態を一緒くたに統合失調症と診断してしまうと、本当の疾患を把握することが出来なくなってしまい、結果的に早期治療の機会を逃してしまいます。そのため、正しい統合失調症の判断は極めて重要です。

統合失調症の症状とは

統合失調症の典型的な症状は幻覚や妄想です。幻覚とは実際にはないにもかかわらず感覚として感じられることです。患者本人にとっては、とてもはっきりと聞こえたり見えたりするために、脳の中だけで起きているとは考えにくいとされています。妄想は患者本人が明らかに間違っている内容を信じてしまい、周囲の人達がそれを訂正しても受け入れないことを言います。そのため、自分には聞こえたり、見えたりするのに、周囲が否定する場合には、それは幻想や妄想の可能性があり、統合失調症のサインと考えてもいいかもしれません。

現実的に妄想とは何かというと、明らかに間違った内容を信じてしまい、周りの人たちが訂正しようとしても自分では受け入れられない考えのことです。自分には聞こえたり、見えたりするのに、家族や友達、同僚、上司、医師などの周りの人たちが皆「そんなことはない」と否定するときには、幻覚や妄想の可能性があります。

では実際にどのような行動などが幻覚や妄想なのか、リストアップします。
・いつも不安そうで、緊張している
・現実的には何も起きていないのに悪口をいわれた、いじめを受けたと訴える
・監視や盗聴を受けていると言う
・独り言を言っている
・にやにや笑うことが多い
・命令する声が聞こえると言う
などがあります。これ以外には話にまとまりがなくてしい滅裂であるという言動的な障害の他に、意欲の障害、例えば趣味に対して興味を示さなくなったり、引きこもりや何もせずにゴロゴロしている、身なりなど全く構わなくなったといったことなども統合失調症の典型的な症状です。

統合失調症の治療法について

統合失調症の治療については、薬を使う薬物治療と専門家とコミュニケーションをとったり、リハビリを行う心理社会療法の2つがあり、通常はこの2つの治療を組み合わせて行います。治療の内容としては、幻想や妄想の症状を軽くするということ、社会生活機能が低下しているのでそれを改善する、そして再発を防ぐの3点です。